フェンシングつれづれ(RENEWAL)

フェンシングつれづれ(はてなダイアリーより移行中)

アカデミー入学生決定

フェンシング:中3剣士、目指せ!!メダル 英才教育で世界に挑戦
 五輪メダリストの育成に向けて日本オリンピック委員会(JOC)が来春開講するフェンシングの「エリートアカデミー」に、福岡の2人の女子中学生が入校する。将来世界で活躍できる才能を持った小中学生を育てようと、福岡県が5年前から始めた「福岡県タレント発掘事業」の第1期生だ。4月からは親元を離れ、トップアスリートが集まる東京のナショナルトレーニングセンター(NTC)で英才教育を受ける。

 ◇北九州市・馬場さん、添田町・久良知さん「太田選手のように活躍を」−−フェンシング「アカデミー」入校
 2人は、北九州市立南曽根中3年の馬場絢子さん(15)と、添田町添田中3年の久良知(くらち)美帆さん(15)。秋田県出身の選手も含めた3人のアカデミー入りが11月、JOCから発表された。
 2人はともに発掘事業の体験教室でフェンシングを初体験し、馬場さんは中1、久良知さんは中2から始めた。日本ジュニアコーチとして、高校時代の北京五輪銀メダリスト、太田雄貴選手(23)を指導した福岡魁誠(かいせい)高校の野元伸一郎教諭(40)から週1回教わっている。野元教諭によると、2人が抜きん出ているのは瞬発力。20秒で50回こなせば能力が高いとされる反復横跳びをともに65〜70回こなす。
 小3からバスケットボールをしている馬場さんは「自分の運動能力がどれぐらいあるのか知りたい」と発掘事業に応募。706人の中から最終の34人に残った。約3カ月おきに武道や球技などさまざまな競技をする中で、フェンシングに徐々に興味を抱いた。うまく剣を突けた時の面白さは、バスケットのシュートのようなうれしさだった。
 小5から硬式テニスに親しむ久良知さんは、発掘事業の最終審査には落ちたが、各種目の体験教室などの情報を提供してもらえる「Hopes(ホープス)」に選ばれた。フェンシングはまったく知らなかったが、ポイントを奪った時の感覚に引き込まれた。テニスのショットに似ていたという。
 フェンシング選手としての潜在能力を見抜いた野元教諭は「彼女たちにはのびしろがある。国際経験を積めば8年後の日本代表は間違いない。個人的には次のロンドン五輪でもいい」と評価する。
 2人の初公式戦は、来年1月のJOC世界ジュニアカデ選手権選考会だ。小学生から本格的に剣を握る人たちには出遅れたが、4月からは恵まれたNTCの環境で、常に世界を意識したトレーニングを積むことができる。
 「将来は太田選手のように五輪でメダルを取って、感動を与えたい」と馬場さんが言えば、久良知さんも「メダルを取ってフェンシングを有名にし、みんなに楽しめるスポーツにしたい」と夢は膨らむ。「不安もあるけどどこまでやれるか楽しみ」と話す2人が09年、世界挑戦の第一歩を踏み始める。(毎日新聞)