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関東インカレ

◎第62回関東学生フェンシング選手権(10/9−14、駒沢屋内球技場)

 結果はこちら。(FJE)

男子エペ団体3位入賞!フルーレはまたも準優勝

 学生フェンシングの秋季戦が幕を開けた。10月20日から行われる日本学生選手権(インカレ)の予選となる関東学生選手権(関カレ)。早大男子部はフルーレ団体が準優勝、エペ団体が3位入賞、サーブルがベスト8と団体全種目でインカレ出場を決め、個人でもほぼ全員がインカレへの出場権を獲得。優勝種目こそなかったものの、まずまずのスタートを切った。

 萩原宏樹主将(スポ3)が新たなドラマをつくった。6月から新主将となった萩原は、エペ個人で第3シードを獲得。優勝有力候補として大いなる期待がかかっていた。しかしベスト8を決める第4回戦、通過点かと思われたこの試合の内容は、優勝候補者の名からは一線を画するものであった。第3回戦では、相手の不規則な動きにも動じず、一定のリズムを刻むフットワークから攻め口を得ていた萩原主将。萩原主将の象徴とも言えるこのリズムが、第4回戦では乱れた。格下の相手に気が緩んだのか、終始集中力を欠き、「相手のペースに持ち込まれてしまった」(萩原主将)。3−3の同点で最終セットを迎えるも、残り1分を切ったところで相手に4点を連取され、気がつけば残り3秒。もはや成すすべなし。唖然とした萩原主将は床に座り込む。見る誰もが言葉を失い、流れた沈黙。その凍りついた空気が、萩原主将ベスト16敗退という事態への衝撃の大きさを表していた。

  まさかの敗退から一夜明け迎えたエペ団体戦。チーム内で唯一のエペ専門選手の萩原主将は「上手く切り替えられるか」と不安を抱きながらも、チームを引っ張り初戦の東北学院大戦を45-26で快勝する。これで「不安感が全部吹っ切れた」(萩原主将)早大は次の専大戦で延長戦の一本勝負を制すと、春季の関東学生リーグ戦(リーグ戦)の覇者・法大には敗れはしたものの6点差にまでつめ寄る善戦を見せる。迎えた最終の3位決定戦の日大戦。前半の4セットは一進一退の攻防となる。5セット目、それまで攻め手を欠いていた鬼澤大真(社1)が攻め入る相手を華麗にかわし4点を連取する。勢いに乗った早大は、続く萩原主将が腕のアプローチの長さを生かし確実に6点を連取し引き離しにかかると、そのままリードを保ち45‐39で勝利。春の4位から一進し、3位入賞という快挙を達成した。両腕を掲げる萩原主将。前日の失意の表情を忘れさせる笑顔がはじけた。

 また、今春2大会とも準優勝に泣いたフルーレ団体。春季のリーグ戦は法大に、日本学生王座決定戦では日大にともに1点差で敗れ、秋季でのリベンジに燃えていた。準決勝の相手は法大。早大の北川宗一郎(スポ4)、鬼澤、北川隆之介(スポ1)、は皆前へ前へと攻め込み、剣のはじき合いからも冷静にポイントを連取。45−24と大差で春のリベンジを果たした。迎えうつ決勝の相手は日大。序盤は、鬼澤が日本代表の淡路(3年)に対等ともいえる試合を披露し、6点差をつけることに成功する。しかし5セット目に北川宗が攻め込まれ逆転を許すと、続く北川隆も淡路の速い攻撃に対応できない。最後まで流れを取り戻すことができなかった早大は、37−45で敗戦。春のリベンジはならず、3大会連続の準優勝に終わった。

喜哀様々に今大会は終了した。しかし今関カレはインカレの予選にすぎない。時はわずかしかないが、関カレの結果を良くも悪くも生かしてほしい。飛躍の年となった昨年に続くためにも負けるわけにはいかない。早大剣士の本当の戦いは、ここから始まる。(早稲田スポーツ)