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日本女子体育大監督に市川真知子氏就任へ

 和歌山県を主会場に開かれている第70回国民体育大会「紀の国わかやま国体」のフェンシング少年女子(フルーレ)で、和歌山北高校和歌山市)の単独チームで臨んだ和歌山が28日、国体連覇を飾った。秋田市出身で来年3月に定年退職となる同校監督、市川真知子さん(59)=旧姓伊藤=が有終の美を飾った。
 和歌山北高は本年度、全国選抜で優勝、インターハイは決勝で聖霊高に敗れて準優勝に終わったが、選抜と国体の2冠に輝いた。市川さんは和歌山北高で約38年間指導者を務め、全国大会上位の常連に育て上げた。
 「地元国体で優勝でき、お世話になった和歌山県に恩返しできた」。優勝が決まった瞬間、大きく手を挙げて喜んだ市川さん。表彰式が終わり、教え子の応援に駆け付けていた聖霊高フェンシング部元監督の折原順悦さん(68)=聖霊高校長=から祝福の握手を求められると、一転して涙ぐんだ。
 来年度から母校の日本女子体育大の監督就任が決まっている。「2020年の東京五輪に向けて選手を育てたい」と意欲を見せた。(さきがけ)

和歌山)国体連覇で「恩返し」 フェンシング少年女子
 紀の国わかやま国体のフェンシング競技少年女子フルーレ(1チーム3人)の決勝が28日、和歌山ビッグウエーブ(和歌山市手平2丁目)であり、県勢が国体連覇を果たした。
 決勝では、鮮やかな剣さばきで群馬を完封。市川真知子監督(59)=和歌山北高教諭=は選手たちと抱き合って喜んだ。市川監督は今年度で38年間指導してきた同校を定年退職する。「去年の優勝もうれしかったけど、今年は格別。最後の最後に恩返しできた」と目を潤ませた。
 出場した同校2年の東(あずま)莉央(りお)選手(17)は「先生がいてくれるだけで心強かった。思い切ってプレーできた」。妹で1年の晟良(せら)選手(16)も「普段あまり『おめでとう』とは言わない先生が泣いて喜んでくれたので感動した」と話した。
 成年男子フルーレでは県勢は3位に入賞。29日は成年女子フルーレと少年男子フルーレの決勝がある。市川監督は「(成年女子も)指導してきた子たちばかりなので胸がいっぱい。みんな頑張ってくれると思います」と期待を寄せた。(伊吹早織)(9/29,朝日)

なるほドリ:なぜ和歌山北高出身の五輪選手が多いの? /和歌山
 ◇64年に体育の専門学科設置 「指導者の熱意」で輩出
 なるほドリ 和歌山北高校に行ったら、たくさん「祝ロンドンオリンピック出場」の垂れ幕がかかっていたよ。
 記者 同校からは5人の卒業生がロンドン五輪に出場しています。体操の田中和仁、理恵、佑典選手の3きょうだい。フェンシング女子フルーレの西岡詩穂選手。さらに陸上の400メートルリレーの九鬼巧選手です。公立高校で、これだけ出身者を五輪に送り出しているのは全国的に珍しいことです。
 Q すごいね。なぜ、それだけ多くの選手が育ったのかな。
 A 1964年に全国の公立高校で、2番目に早く体育の専門学科を設置して、スポーツに力を入れてきました。陸上やレスリングなど、多くの部活が全国大会で活躍しています。設置当時の名称は保健体育科でした。88年に体育科になり、12年から現在のスポーツ健康科学科になりました。これまでにもソウル、バルセロナと2大会連続で五輪に出場したレスリングの西口茂樹さんなど5人をオリンピックに輩出しています。特にフェンシング女子はすでに2人出場しており、西岡選手で3人目となります。ただ、私学の強豪校のように最先端の設備を持っているわけではありません。にもかかわらずこれだけの素晴らしい実績を残している要因について、学校関係者は「指導者の熱意」と話しています。田中3きょうだいの父章二さんも体操の指導をしています。
 Q フェンシングが強いんだね。
 A 市川真知子フェンシング部監督が3人の五輪選手全員を指導してきました。市川監督はモスクワ五輪で代表となりながら、日本のボイコットで出場できませんでした。その無念の思いも胸に後輩の育成にあたってきました。西岡選手は高校時代を振り返り「厳しかったけど、大会などでは一緒にいてくれるだけで安心できた」と話しています。
 Q ついにメダリストも誕生したね。
 A 体操男子団体で銀メダルを獲得した田中和仁、佑典選手ですね。和歌山市のホテルでは大画面を前に市民ら約300人が応援。和歌山北高の横断幕も貼られていました。今後もまだまだ卒業生の選手たちが登場します。夜は眠れそうにないですね。<回答・竹田迅岐>(12/8/5 毎日)