フェンシングつれづれ(RENEWAL)

フェンシングつれづれ

インターハイ2日目

 インターハイ速報

・男子個人フルーレ決勝
伊藤真(岐阜・大垣南)15V−11 加藤祥(新潟・新潟青陵)

・女子個人フルーレ3回戦
永瀬夏帆宮城学院)15V−9 池田景(気仙沼

・準々決勝
山崎 衣里子(和歌山北)7V−6 永瀬

・決勝
高橋 風子(聖霊女短大付)8V−5 相沢 さつき(高崎商大付)

・男子個人エペトーナメント1回戦
江口 大介(徳島・城ノ内)15V−11 佐藤 好寛(気仙沼

・男子個人サーブルトーナメント1回戦
千葉 尚汰(気仙沼)15V−6 高野 竜爾(兵庫・明石西)

・女子個人エペトーナメント1回戦
藤井 美帆(仙台二)15V−9 山村 彩和子(岡山・玉野光南

・女子個人サーブルトーナメント1回戦
伊藤 はるか(仙台南)15V−8 深沢 えり(宇都宮中央女)

 美ら島沖縄総体第3日の30日、フェンシング・男子フルーレで森翔一(札幌光星1年)がベスト8、女子フルーレでは森彩恵(札幌大谷3年)がベスト16入り。悲願のメダル獲り(3位以内)は姉から2歳年下の弟に託された。
 姉の敗れる姿を確認した弟は険しい表情で隣のピスト(試合会場)に入った。勝てば8強進出が決まる男子フルーレ予選トーナメント3回戦。序盤から相手を圧倒的に攻め立て、効果的にポイントを奪った翔一が軽くガッツポーズをつくった。約5分後、控室で姉弟が再会した途端、弟は「何で負けたんだ」と姉に迫った。彩恵は昨年、団体で3位に入りながら個人の表彰台は3年間でなし。この日のエペでも敗れ「これが実力」とうなだれるしかなかった。
 翔一の決勝トーナメント初戦の相手は日本代表の東(和歌山北)。ところが剣の不具合に気づかず序盤からポイントを重ねられた。剣を交換した後半こそ互角に渡り合ったが、時すでに遅し。「すぐに気づかないといけなかった。積極的に攻められたし、内容的には悪くなかったんですけど…」。悲願のメダルにはともに届かなかった。
 同じ騎士道を志す身。その中で姉弟ならではの決まり事がある。「プライベートでもフェンシング漬けになったら気持ち悪くなる」と翔一が言うように、自宅で競技の話題は禁句。大会の会場でも通う2人が高校がライバル同士とあり「お互いの体調管理もある」と口を交わさない。陰で応援することはあるが、翔一は「最高の敵ですからね」と笑った。
 彩恵の競技人生は不完全燃焼のまま一区切りがついた。だからこそ勝ち気でちょっぴり生意気な翔一に、個人タイトルの悲願を託した。「絶対勝ってほしい」。弟も語気を強めた。「とにかく上に立つ。周りから“あいつに当たったら勝てない”と言われたい。フルーレとサーブルの2種目で優勝したい。休んではいられません」。姉の無念を背負って、翔一が最強剣士を目指していく。(スポニチ)