リオデジャネイロ五輪第2日(6日、リオデジャネイロ)女子エペ個人が行われ、ロンドン五輪で初戦敗退の佐藤希望(30)=大垣共立銀行=は1回戦でメキシコ選手に15−12で勝って五輪初勝利を挙げると、2回戦で第3シードのタチアナ・ログノワ(ロシア)を延長の末に15−14、3回戦ではロンドン五輪金メダリストのヤナ・シェミャキナ(ウクライナ)を11−8で立て続けに破って8強入りした。
30歳のママさん選手、佐藤が快進撃だ。五輪初勝利の後、強豪を次々と撃破。8強入りを果たした。「行けるところまで行きたい。気持ちとプレーが充実している。女子エペで8強入りは初めて。でもこれで満足せず、メダルを狙っていきたい」。出産、育児の経験がプレーの幅にもつながり、夫との約束である「五輪でまず1勝」を実現するどころか、目標以上の結果だ。(サンスポ)
準々決勝でサス(ハンガリー)に4―15で敗れ、4強入りを逃した。(共同)
日本人として、この種目(エペ)での入賞は男女通じて確か初めてなはず。
◎女子エペ個人 準決勝
FIAMINCO Rossella ITA 12V−11 SUN Yiwen CHN
SZASZ Emese HUN 10V−6 REMBI Lauren FRA
・3決 SUN 15V−13 REMBI
・決勝 SZASZ 15V−13 FIAMINCO
5位 BESBES Sarra TUN
6位 MOELLHAUSEN Nathalie BRA
7位 CHOI Injeong KOR
8位 佐藤 希望 JPN
フェンシング女子エペの佐藤希望(30)は守るものができて、強くなった。2度目の五輪となったリオデジャネイロ五輪では、メダルにあと一歩届かなかったが、日本勢女子エペの過去最高順位となる8位に入賞。試合後の表情は晴れやかだった。
前回のロンドン五輪の翌年に結婚し、長男匠君(3)を出産した。出産後も第一線で競技を続ける先輩選手はいなかったが、出産前から復帰を決めていた。
「もう一度、五輪に出場する」
だが、競技と育児の両立は簡単ではなかった。練習拠点の東京で長男と2人暮らし。夫は富山に暮らし、自身の実家は福井。東京に身寄りもなかった。
丸2年間、トレーニングから完全に離れ、落ちた体力を元に戻すのは想像以上に大変だった。階段を上るにも息が上がった。出産前より筋肉量が5キロ減り、それまで着ていたユニホームはぶかぶかになった。
ログイン前の続き復帰から半年たっても、体力は以前の半分程度しか戻らなかった。「違う部分で補おう」と開き直った。経験を生かし、攻撃型から守り勝つ形にプレースタイルを変えた。
家事に、育児に、練習に、と息つく暇はなかったが、一方で「リフレッシュした気持ちで競技に向き合えるようになったし、試合の集中力も増した」。競技を離れてから選考に必要な世界ランクはゼロになっていたが、復帰1年後には33位に。リオ出場をつかんだ。
夫の充さん(40)との約束だった「五輪で1勝」を果たし、ロンドン大会での26位から大きく順位を上げた。今後も競技を続けていくか、まだ考えていない。「子供にメダルをかけてあげたかった。でも、しばらくはママに戻ろうかな」と話した。(朝日)