フェンシングつれづれ(RENEWAL)

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プロの自覚と重圧と 菅原智恵子

 アテネに続く2大会連続出場だが、背負う重圧は、ずしりと重くなった。
 4年前の肩書は、宮城県鼎が浦高の保健体育教諭。今回は事実上のプロだ。

 昨春から休職、日本協会の強化指定選手として東京都北区の国立スポーツ科学センター(JISS)近くに暮らし、JISS研修生の肩書で競技に没頭する。
 「以前は試合の結果が悪くても、日々の授業で気が紛れた。今は気分転換が難しい。プロって大変なんだと実感します」と笑う。
 昨秋の世界選手権の女子フルーレ団体で日本は銅メダル。五輪を含めて日本初のメダルだった。北京も団体での出場が期待されたが、惜しくも逃した。五輪に行くのは最年長の菅原だけだ。一緒に「長期合宿」をしてきたチームは解散。全日本女王で24歳の巻下陽子らは引退をにおわす。
 「フェンシングは日本ではマイナーなので大学を出た後、競技を続けるのが難しいのも現実です。私が北京で頑張れば、環境が好転するかも」。後進に道を開くための戦いでもある。

 すがわら・ちえこ 宮城県気仙沼市出身、日体大卒。04年アテネ五輪女子フルーレ代表。05年W杯(中国・上海)で日本女子としてW杯初優勝。07年アジア選手権個人で銅メダル。163センチ、56キロ。31歳。
(asahi.com)