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菅原・千田、五輪出場決定!

 フェンシングのフルーレ個人で女子の菅原智恵子(宮城ク)と男子の千田健太(中大、宮城・気仙沼高出)の北京五輪出場が17日までに決まった。
 日本協会によると菅原は、団体戦出場国を除いた世界ランキング上位3人に続く各大陸連盟の上位選手として、アジア・オセアニア枠の2番以内が決まり、五輪出場が確定した。アテネ五輪に続く2大会連続の五輪出場となる。
 31歳の菅原は16日にブダペストで行われたワールドカップ(W杯)で3位と健闘し、世界ランクを17位に上げた。女子で北京五輪につながる世界ランク対象の大会は残り1試合あるが、世界ランク25位の巻下陽子(秋田ク)ら日本選手が菅原を逆転する可能性はなくなった。
 千田健は、16日にポルトガルエスピニョで行われたW杯の決勝トーナメント1回戦で敗れたものの世界ランク14位となり、初の五輪出場権を獲得した。父の健一氏は日本が参加を取りやめた1980年モスクワ五輪の代表。
 千田健は自動的に五輪出場権を得る世界ランキング8位以内(各国・地域2人まで)を除き、アジア枠で韓国選手に次いで2番目となった。既に五輪出場を決めた太田雄貴(同大)の世界ランクは7位だった。
<千田健、父の夢受け継ぎ大舞台へ>
 幻に終わった父の夢を受け継ぎ、千田健が悲願の北京五輪切符を手にした。「本当に長くて苦しかった。もう駄目かと焦った時期もあったが、あきらめないでよかった」と感慨に浸った。
 父の健一氏から右より有利とされる左利きに矯正され、攻撃的な姿勢と持ち前の研究心で世界ランキングを上げた。国際電話で吉報を受けた父親は「五輪の舞台でわたしの思いを成し遂げてほしい」と話した。
 日本のエース太田と同期でもある。「もう一度自分を見直し、太田と一緒に五輪に挑みたい」と活躍を誓った。

<菅原 智恵子(すがわら・ちえこ=フェンシング女子フルーレ個人)>
05年W杯で日本女子初の優勝。07年世界選手権は団体初の銅メダルを獲得した。アテネ五輪代表。163センチ、56キロ。31歳。気仙沼市出身。
<千田 健太(ちだ・けんた=フェンシング男子フルーレ個人)>
宮城・気仙沼高を経て中大。06年ワールドカップ東京大会3位、ドーハ・アジア大会代表。170センチ、66キロ。22歳。気仙沼市出身。(3/18河北)

つないだ夢「感無量」 五輪出場・千田健選手の父・健一さん

 17日、北京五輪出場を決めたフェンシング男子フルーレ個人の千田健太選手(22)=中大、気仙沼高出=。1980年モスクワ五輪で日本が参加をボイコットし、幻の代表だった父の健一さん(51)=仙台三高教頭=は「感無量。自分に“幻の五輪代表”の冠がついて回った分、息子には実際に出てほしいと思っていた」と喜んだ。
 16日午後10時ごろ、大会出場でポルトガルにいた健太選手から携帯電話に連絡があり、「オリンピックが決まった」「おめでとう」と言葉を交わした。「終盤はアジア枠の3位に落ちる可能性があったのでハラハラしましたが」と振り返った。
 気仙沼市松岩中1年から競技を始めた健太選手。健一さんは自分と同じ左利きに矯正し、得意のコントラアタック(カウンター)を伝授した。気仙沼高2、3年には、監督として直接指導した。
 世界を転戦するようになった後も、試合のたびに電話があり、最近は「外国選手に研究され、コントラアタックでやられる」と悩んでいたという。しかし、「自分以上」という俊敏性を生かし、世界ランキング10位台に定着。「ロンドン五輪に出場できればと思っていたが、4年早く実現してくれた」とたたえた。
 鼎が浦高時代の教え子、菅原智恵子選手(31)=宮城ク=もアテネ五輪に続く女子フルーレ個人での出場を決めた。「気仙沼から2人も出場するのはすごいこと。日本のレベルは上がっている。2人は出場するだけでなく、入賞やメダルを目指してほしい」と期待した。

◎「メダル獲得を」歓喜に沸く地元 気仙沼
 「メダル獲得を目指して頑張って」。北京五輪フェンシングの女子フルーレ個人に菅原智恵子選手(31)=宮城ク=、男子フルーレ個人に千田健太選手(22)=中大、気仙沼高出=の出場が17日、そろって決まり、2人の地元・気仙沼歓喜に沸いた。
 菅原選手が教壇に立ち、千田選手の母校でもある気仙沼高の小野寺恭一校長は「出場が決まり、生徒にとって大きな励みになる」と喜びの表情。千田選手には「卒業生として素晴らしい快挙だ」と栄誉をたたえた。
 同高フェンシング部2年の小山萌弥(もえみ)男子主将(16)は「先生とあこがれの先輩の五輪出場は本当にうれしい。少しでも先輩に近づけるように頑張りたい」と話し、同じく2年の鈴木奈津美女子主将(17)は「メダル獲得を目標に頑張ってほしい」と、2人の活躍に期待を寄せた。
 鈴木昇市長は「北京五輪の出場決定に市民を代表してお祝いする。世界の大舞台での活躍を期待し、市民とともにふるさとから声援を送ります」との談話を発表した。 (3/18河北)