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原田、「V狙う」 23日に五輪最終予選


 フェンシング個人女子エペの日本代表として、原田めぐみ(県体育協会)が23日にタイ・バンコクで開かれる北京五輪アジア地区最終予選会に挑む。五輪出場権を懸けた戦いの“最終章”。決戦を控えた原田が、たぎる思いを語った。
 ―3月にワールドカップ(W杯)を終え、総合45位という成績をどうとらえているか。
 「現状通りと受け止めている。右足のけがの後で、やれることは多くなかった。それでも(五輪出場を早期に決めるため)W杯でポイントを多く取ろうとした。だが、うまくいかず不安と焦りを覚え、迷宮入りしたような感覚を味わった。しかし、逆にそれで自分を客観視できるようになった。もう瀬戸際まできたのだから、焦っても何も変わらない。あとは余計なことを考えずに臨みたい」
 ―重圧の中、五輪最終予選にどう備えているのか。
 「対戦相手の研究などもするが、精神力こそが大事だろう。そこでこの1年の良かったところ、悪かったところと、その対処法を書き出している。嫌なことがあったのなら、どうすればいいのかというようにQ&Aを自筆で紙に書き、それを部屋の台所やトイレなど至る所に張って毎日読んでいる。例えば『試合を楽しむには、プラス思考で笑顔で生活する』。これは、人を寄せ付けないくらい暗い時があったので、まずは笑うことが必要だと感じたから」
 ―2位までに五輪切符が与えられる。最終予選がいよいよ迫ってきたが。
 「がむしゃらだったアテネ五輪と違い、計画性を持って五輪出場を目指してきた。つまり、最終予選まであるものと考えて取り組んできたので、特別に変わることはない。今までのことを継続し、19日に北京で世界選手権に臨んだ後、タイに行く。たった1日の戦いなので、心にすきをつくらず、自分の強みとなる部分をどう活用するかをイメージして、優勝を狙いたい」

 はらだ・めぐみ 米沢興譲館高でフェンシングを始め、東京女子体大、筑波大大学院に進学。2004年にアテネ五輪に出場した。個人女子エペで日本の第一人者として君臨。W杯準優勝後の06年11月に右足の十字靱帯(じんたい)を断裂し、手術。昨年5月に復帰を果たし、10月のW杯サンクトペテルブルク大会ではベスト16に入った。07−08年シーズンの世界ランキングは45位。1979年8月1日生まれ、28歳。南陽市出身。(山形新聞)