フェンシングつれづれ(RENEWAL)

フェンシングつれづれ(はてなダイアリーより移行中)

全日本フェンシング、健闘3位 19歳淡路が頭角現す

 天性の剣さばきで勝負師の一面も併せ持つ。4月にフェンシングの世界ジュニア選手権(イタリア)の男子フルーレで日本選手として初優勝した19歳の淡路卓(日大)が、11日に新潟県で行われた全日本選手権で過去最高の3位と健闘した。
 左利きで相手の意表を突くセオリー度外視の変則スタイル。準決勝で北京五輪銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)に5−15で完敗し「自分の売りはスピードなのに、すべて上だった」と悔しさをにじませたが、3位の結果に「自分の実力が(ジュニア以外でも)ある程度通じるのが分かった」と自信を膨らませた。
 仙台市蒲町中2年のときに全国大会を制し、宮城・東北工大高時代はアジアジュニア・カデ選手権のカデ(14−16歳)の部で優勝。騎士道の世界で異例ともいえるが、突きを決めると「気合が入る」とガッツポーズとともに腹の底からほえるような大声を会場に響き渡らせる。2012年ロンドン五輪で男子フルーレ団体の金メダルを目標とする太田は「団体の戦力になる可能性が高く、経験を積めば個人でも相当強くなる」と成長著しい後輩を評価した。
 太田の師でもあるウクライナ人のオレグ・マツェイチュク氏は淡路の指導にも熱が入り「ロンドン五輪で本当に期待する一人。試合中、頭は冷静でハートが熱く戦える」と基本を徹底的に教え込む。北京で一躍脚光を浴びたフェンシング界から、また一人楽しみな選手が出てきた。(12/18河北)