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千田健太インタビュー(河北)

フェンシング千田 個人でメダル、目標 現役続行表明(6/27、河北)

 2012年ロンドン五輪のフェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した宮城県気仙沼市出身の千田健太(28)=筑波大大学院=が、16年リオデジャネイロ五輪を目指し、現役を続ける決断をした。ロンドン五輪後に引退するつもりだったが、昨年の全日本選手権での初優勝や、20年東京五輪パラリンピック招致活動をきっかけに、もう一度、気持ちを奮い立たせたという。再挑戦への思いを聞いた。(聞き手は庄子晃市)

 −ロンドン五輪後、引退を考えたと聞いた。
 「やめる決意をしていた。銀メダルを取り、目標をクリアしたので、もういいかな、と。五輪は精神的にしんどく、使命感、責任感で直前は毎晩寝られなかった。またそんな生活をするのはつらかった。五輪後は明確な目標がなく、やめるタイミングを計っていた」

 −なぜ、再び五輪を目指すことにしたのか。
 「悩みに悩んだが、個人でメダルを取りたいという思いが強くなった。区切りと決めていた昨年が今までで一番、個人成績が良かった。全日本選手権で初優勝し、ワールドカップで銅メダルも取った。世界選手権では元世界ランク1位のアンドレア・バルディニ(イタリア)を破った」
 「戦術的にも体力的にも充実してきた。これまでの経験を基に、攻撃の選択肢が増え、ポイントを取れるルートが見えるようになった。自分のマックスはもっと先にあると感じている」

 −東京五輪パラリンピックの招致活動に携わった。
 「(東京開催を決めた国際オリンピック委員会総会が開催された)アルゼンチンのブエノスアイレスに行き、スポーツがこんなに人を感動させることができるのかと、あらためて感じた。この世界からいなくなるのは寂しいという気持ちが強くなった」

 −個人でメダルを取るために必要なことは。
 「堅実なプレーが今までのスタイルだった。これからはリスクの高い技を取り入れ、大胆に仕掛けていきたい。送りバントではなく、ホームランを狙う」

 −7月15〜23日にロシア・カザニで行われる世界選手権に出場する。
 「個人と団体でメダルを取ることが目標。リオデジャネイロ五輪に向けて、もっと強くなるためのステップにしたい」