フェンシングつれづれ(RENEWAL)

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インターハイ関連新聞記事まとめ(全国版)


◆本来の自分取り戻し快勝 水谷(8/6,岐阜新聞)
 フェンシング男子サーブルで、水谷一貴(大垣南)が2連覇を達成。「運が良いだけですよ」とおどけながらも、「周囲から“連覇、連覇”とはやし立てられてきただけに、正直ほっとした」と笑顔を見せた。
 前日の予選プール、予選トーナメント1回戦は順当に勝ち上がり、この日はベスト8を決める同トーナメント2回戦から。「プレーに多少、緊張感がうかがえた」(長良将司監督)とはいえ、15−7で快勝。続く決勝トーナメント1回戦、準決勝も大勝した。
 決勝が唯一の難関となった。相手は2年生ながら、サーブル種目で日本代表にも選ばれている巧手。「自分よりもサーブルという種目の特性を知っている」(水谷)という相手との一戦に、体は自然と萎縮(いしゅく)していた。
 試合開始直後、3連続でポイントを失う。「相手は素早く前に出るアタック力に優れている。自分から先に前へと出よう」。落ち着きを取り戻すと、本来の強さがよみがえった。終わってみれば15―6の完勝。「水谷は本当に駆け引きがうまい。大事なところで必ずポイントを奪う。決勝も、相手の良さを完全につぶしていた」と長良監督は目を細めた。
 インターハイを連覇した水谷には国際大会出場が次なる目標として浮かび上がっている。来春の世界ジュニア選手権の切符を懸けた最終選考会は来年1月。「大学生も参戦してくる」と気持ちを引き締め、飽くなき向上心をかきたてている。

・小栗(羽島北)3位 女子フェンシング(8/6 岐阜新聞)
 全国高校総体フェンシング女子サーブルで3位になった小栗奈津未(羽島北)。「決勝進出を逃したのは悔しいけれど、(銅)メダルの重みは十分に感じられる。高校最後の年に、一番出たかった舞台で成績を残せて良かった」と声を弾ませた。
 フルーレ種目を基本にしており、サーブルの特訓に取り組んだのは東海総体が終わってから。吹原麻美監督とのマンツーマンでの練習は「(高校に入ってから)一番つらかった」と言う。それでも成果は本番で形になって表れた。予選から順調に勝利を重ね、この日も勢いそのままに4強入り。準決勝で敗れはしたが、続く3位決定戦では気持ちを切り替え、15―3で圧勝した。
 「決勝へ進ませてあげられなかった悔しさは残るが、粘り強くよく頑張ってくれた」と指揮官。小栗は「全国の表彰台に立てたのはうれしい。もっともっと成長したい」と話した。

・攻守にバランス「理想通り」/フェンシング男子エペ2位/菅野慶嗣(福島・川俣)(8/6,河北)
 ゆっくりと反時計回りに剣を回しながら相手との間合いを測る。すきを見つけては果敢に突きを放った。決勝は終盤までまさに一進一退。しかし、最後に連続ポイントを許して力尽きた。
 「最後は時間がなくなって焦ってしまった。もう少しフェイントを入れながら攻めれば良かった」と反省したが、表情は満足そうだ。「今日は気持ちで負けなかった。攻守のバランスが取れていたし、自分の理想のフェンシングができた」
 本来はフルーレが得意。しかし前日は予選トーナメント最終戦で敗れて決勝トーナメント進出を逃した。落胆は大きく、午後の練習は集中力を欠いた。
 「ピストに入ったらスピリットを見せろ。そんなんだったら荷物をまとめて帰れ」。控室で橋本監督の怒声が飛んだ。そこから目の色が変わった。エペ予選をトップで通過すると、決勝まで一気に進んだ。
 「エペからも学ぶところがあった。次の団体戦に生かしたい」と菅野。橋本監督は「最後まで戦い抜いてくれた。よく頑張った」と話しながら、初めて表彰台に上った教え子を、うれしそうに見つめていた。174センチ、70キロ。3年生。福島県川俣町出身。

・宇山攻め貫く 男子エペV(8/6,四国新聞)
香川県勢は6競技に出場。フェンシングは男子個人エペに初出場した宇山賢(高松北)が頂点に立った。決勝トーナメント初戦を15―14の接戦で制して流れをつかむと、続く準決勝、決勝でも得意のカウンター攻撃が勝負どころでさえ、四国勢として初の種目別優勝を果たした。ソフトテニス男子団体の尽誠は準々決勝で三重(三重)に0―2で敗れ8年ぶりの4強入りはならなかった。
フェンシング 恩師越えのカウンター攻撃
 インターハイ初出場で迎えた決勝戦。14―10のマッチポイントをつかんだ宇山(高松北)は、相手の菅野(川俣・福島)と剣を合わせたまま仕掛けた。相打ちで15―11。県勢としてだけでなく、四国勢として初の王座をつかんだ瞬間だった。マスクを外し、あふれんばかりの笑顔を見せながら、渡辺監督の元へ走りハイタッチをかわした。
 長いリーチを武器に予選トーナメントを危なげなく勝ち上がった。目標の8強を達成し、「もう誰一人として弱い相手はいない。一つ一つ気持ちを入れてやるしかない」(渡辺監督)という決勝トーナメント。初戦から点を取り急ぎ、リードを許すなど焦りも見え始め、準決勝、決勝で何度となくピンチを招いた。
 インターバルの度に「相手は剣をさばくだけ、距離をおいて強引に突いてみろ」と渡辺監督。これで立ち直った宇山は自分のスタイルを取り戻した。剣で牽制(けんせい)しながら、出てくる相手に持ち味のカウンター攻撃を仕掛けると、宇山の剣が先にポイントを奪って勝利をたぐり寄せた。
 188センチ、64キロの恵まれた体格を持つ2年生。松江工高3年の時に同種目を制した渡辺監督は、常に「優勝して先生を越えろ」と言い続けてきた。24年ぶりに同じ表彰台に上がった宇山を「試合ごとに成長してくれた。何より1年早い優勝で、僕を越えてくれたことがすごくうれしい」とたたえる。宇山は「実感がまだないが、この後の団体戦、次は国体でも頑張りたい」と照れくさそうに笑った。


・マイペースの伏兵、森岡V フェンシング女子エペ(8/6、朝日)
 「(勝因は172センチの)身長。技術なんて何もないから」。フェンシング女子エペで優勝した森岡は優勝しても、のほほんとしていた。西村監督が「入賞(8位以内)すればいいと思っていた」という伏兵が、長いリーチを生かし強豪の埼玉栄で唯一の個人タイトルをつかんだ。
 決勝の相手は優勝候補の林(愛媛・三島)だった。積極的に前に出てくる相手でも、剣を大きく前に出して懐に入らせずポイントを稼ぐ。最後は焦って飛び込んできた相手をいなし、勝利を決める15点目を挙げた。
 「物覚えが悪い」「運動神経が無い」「走るのが苦手」と自分の欠点を挙げた。「だから、できることをしっかりやろうと思う」。先輩の男子大学生に自ら練習をお願いして、動いてくる相手に対応できる自らのスタイルを磨いていった。
 全身を突き合うエペは3年になって取り組み始めた。それまでは上半身(首から上と腕を除く)に剣先を当てるなどのフルーレ専門。「全然違うけど、あの子には同じと言い聞かせてきた。細かいことを言うとわからなくなる」と西村監督は笑った。
 「優勝しても同級生の中で一番下手なのは変わらない。勝ったからエペのほうが向いているのかな」。マイペースな性格で、おっとりと話したが、少し、自信はついたようだ。

埼玉栄 男女3位(8/7,東京新聞)
 悔しいけど力は出し切った−。フェンシングの学校対抗で、2年連続の男女アベック優勝を狙った埼玉栄は、ともに準決勝で敗退。女子の中野早織主将(三年)は「(3位に)満足したくないけど悔いはない」と、仲間とともに国体に向け気持ちを切り替えた。
 女子はこの1年、連覇を目標に、中野主将を要にしたチームワークづくりを目指してきた。今大会、順々決勝までは危なげない展開で快勝し波に乗ったが、準決勝は「粘り負けした」(西村典子監督)。
 一方、男子は3回戦と準々決勝、いずれも4−4から競り勝ったが、準決勝は同じ展開で逆に敗れた。千野一也監督は「皆ベストを尽くした」と選手をねぎらい、島啓太主将(三年)は「悔しいけど、全国3位はうれしい」と話した。